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過去を振り返って

本日思い出の品が旅立っていきましたので、ちょっと懐かしい話を書きたいと思います。

私がACCEL STUDIOを作り、フリーのサウンドエンジニアとして仕事を始めてから、11年が経過しました。まだ11年というべきか、もう11年というべきか、ともあれその11年前に丁度購入した機材が旅立っていったわけです。

当時、私は25歳。
前年の夏頃に、それまで5年勤めた制作会社を辞めることを決意したものの、退職後に何をするかは実ははっきりと決めていませんでした。周囲の専門学校時代の仲間がフリーになったり、自分が経験したかったけど経験できなかった現場の経験を積み重ねていたり、同年代のエンジニアが自分よりはるかに先を行っていたりで、とにかく現状を変えなくちゃいけない!!!

と焦った結果、私は会社のスタジオで社長、副社長に向かって、退職の意を伝えていました。

その1年半前にも先輩のチーフエンジニアに立ち飲み屋で「このままではもう辞めます。」と話しており、その後、その先輩はそれまで経験できなかった色んな現場に連れていってくれ、私が会社に残って自分を磨いていく道を作ろうとしてくれていました。
(この先輩は今でも私に仕事を振ってくれます。本当に絶対に足を向けて寝られない尊敬する先輩です)

私自身も通常の会社の業務以外に、自分でも仕事をとってレコ−ディングをこなすようになり、少しずつ変わっていってはいたのですが、自分よりもどんどん先に行く人たちを見て、今のままでは無理だ、、、と思ってしまったのですね。

と同時に、環境さえ変えれば、自分だってやれる!もっと上に行ける!!と思っていたわけです。
だから、後のことは考えず、計画も立てず、とりあえず言ってしまいました。

「辞めます」と。

その言葉の本当の重みも知らないままに。

それから3ヶ月後、年末まで働いて私は会社を辞めました。
3ヶ月は引き継ぎの期間。私がやっていた業務を後輩が一人でも出来るように教え、PCのデータ、紙書類関係もわかるように整頓し、作業内容も猿でも分かるマニュアルまで作って、文句の出ようのない形で会社から離れました。

実際、その後これが分からなくて、といった連絡はもらっていません。

しかし、会社を辞める頃になっても、私は何をするのか決めていませんでした。音に関わっていこうとは思っていましたが、どこか別の会社に入るのか、フリーでやるのか、そもそもスタジオワークなのか、PAなのか、放送なのか、全部が曖昧でした。それでも、会社を辞めた直後は、何となく自分はやれる!と謎のハイテンションになっていたので、不安感はなかったです。今から思えば、現実逃避していたのだろうと思います。

結局、年が明けて1週間ほど経ってから、フリーでやってやる!という結論に至りました。とはいえ、当時の所持金は150万円程度。これを元手に何をするのかを考えました。

スタジオを作れるほどのお金ではない。かといって、当時は今と違ってPAのノウハウがほとんどなかったため、安いPA機材と中古車を買って、PA屋をやるのはリスクが高い。ていうか、ちゃんとPAの会社に入って場数踏まないと多分無理。。。

となり、それまで会社のスタジオを使ってやっていたミックス作業を個人でやってやろう!となりました。

私がいた会社では音楽コンテストもやっており、尋常じゃないほどのアマチュアバンド音源を聴いていましたが、ミックスが甘いというか仕上げが雑で、もっと時間をかけて丁寧に作れば、絶対にもっと良い作品になる、と思うものが多いと感じていて、そこに需要があると思ったわけです。まあ、ProTools M-Powered7.4とFW1814というI/O、WAVESのGold Bundle、GENELEC 8020A、YAMAHA 01V96なんかを会社にいた頃に個人で買っていたので、それが一番コストがかからなかったというのが大きく、現実的に業務にできそうなのはそこしかありませんでした。

持ち運んで簡単なボーカル録りは出来た方がよいと思ったので、比較的高性能なMacBook Proを買い足し、ミックスを本格的にやるならGold Bunldeでは不足なので、、、と、Diamond Bundleにアップグレードしました。コンデンサーマイクもボーカル録るなら、これくらいは、、、と、AKG C414B-XLIIとAUDIO TECHNICA AT4050/CM5を揃えました。部屋のプライベートスタジオ化は会社にいた頃からやっていましたし、ホームページもフライヤーも簡単なものはAdobeで自分で作れたので、準備を着々と進めました。しかし、当然ホームページを作ってすぐに、フライヤーを撒いてすぐに依頼は入りません。機材の購入と、2ヶ月の生活費で、預金はどんどん減っていき、環境を変えれば、自分はもっとやれる!!というのが、何の根拠もない自信だったことに気づき、内心焦り後悔し始めた頃に、、、

ミックスではなく、バンド録音の依頼が入りました。

マイクもケーブルもスタンドもI/OのINPUTも全部足りません。MacとWAVESでお金をある程度使ってしまったので(当時WAVESはまだ高かったです)、新規に機材を買い足すには予算が限られます。でも、この依頼を引き受けることで、もっと道が開ける!というか、ここで逃げたら終わり!!何とかしなくては!!!

となけなしのお金で買ったのが、今回旅立っていったオーディオインターフェースです。

これを機に出張録音も業務に加え、この局面をどうにかこうにか乗り切ったことで、他の仕事も入り始め、苦しいながらも生活できるようになっていき、その後紆余曲折を経て今に至る、というわけです。

今回手放した機材で、本当に色んな人の音源を作ってきました。
メジャーにいったアーティストもいますし、著名なボカロPになった人もいます。

自分の苦しかった時代を支えてくれ、フリーのサウンドエンジニアとして最初の一歩を踏み出す時に背中を押してくれました。新しいオーナーの元でまだまだ活躍してくれることを願っています。
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プロフィール

アクセルスタジオ ikenaga

Author:アクセルスタジオ ikenaga
レコーディング・マスタリングエンジニア ikenaga です。
関西を中心に、レコーディング/ミキシング/マスタリング/MA/音声編集・ノイズ除去などの録音業務と、
ジングル・サウンドロゴ・効果音制作などの制作業務を行なっています。

ご依頼・お問い合わせ・お見積もりのご依頼は、
↓のホームページからよろしくお願い致します。

https://accel-studio.com/

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