初音ミク登場から10年

今やすっかり音楽ジャンルの一つとして定着したボーカロイド。
その代表格と言っていいのが「初音ミク」で、
あと2ヶ月ほどで10周年を迎えるこのソフトと私の出会いは、
10年前、私が所属していた大阪のCM制作会社でのことでした。

この会社はCMの音に特化した会社で、数々のラジオCMで賞を獲っていたり、
皆さんが見たことのあるであろうCMの音楽制作などを行っていました。
おかげさまで私の名前もいくつかの作品でクレジットしていただいています。

そのCM制作という業務で著作権フリーの音源を大量に保有しており、
その音源をいくつかをクリプトンフューチャーメディアから購入していたため、
定期的にDMが届き、その中で発売前の初音ミクの存在を知ったように記憶しています。

社内の反応は少しばかり冷ややかなものでした。
プロデューサー陣も含め、パッケージイラストに加えて、
・年齢:16歳
・身長:158cm
・体重:42kg
といったキャラクター設定が付けられていたことから、
いかにもオタク向けな萌え系商品だろうとの印象をもったわけです。

とはいえ、CMの音楽制作において、本チャン以外に"仮歌"を録る機会が結構あったことから、
通常は知り合いのシンガーに依頼して、スタジオに来てもらい収録していた作業を、
ソフトウェアに置き換えることで、コスト削減を図れるのでは?と期待もしました。
この仮歌というのは企画が正式採用される前のプレゼン用だったりするので、
ぶっちゃけ予算がなく、お金をかけずに済めばいいよね、、、と思うのは当然のことです。

まあ、そんな感じでデモ音源を聴いてみた時の感想を包み隠さず述べると、、、

「何この機械音声・・・甲高いだけで表情のかけらもなく、全く話にならない。
 業務では到底使えないな。」
というものでした。

当然といえば、当然です。
いまだに、リアルに人が歌っているように調整するのは至難の技ですし、
それだけボーカリストの声というのは、唯一無二の価値を持つものなのです。

そんな感じであっさりと私がいた会社ではスルーされた初音ミクですが、
ニコニコ動画で火が付き、DTMをやって遊ぶ人たちの間では大人気に。
一般層にも市民権を得ていき、2011年にはCMでも初音ミクの声が使われるものが現れました。
この時は単純に人の歌の代替品としてだけ捉えていた、視野の狭さを思い知らされましたね。

私自身が関わった仕事という意味では、
2009年に会社を離れてフリーになった直後に担当させてもらった、40mPさんのアルバムや、
他の制作でもよく初音ミクの声を耳にするようになりました。

発売から間もなく10年。
すっかり一つの音楽文化として定着したボーカロイドに火をつけた初音ミクですが、
これから先、どのような進化を見せていくのか。
もっと人に近づくのか、機械的なニュアンスこそがこの製品の魅力として、
現状の音を維持していくのか、あらためて注目したいと思います。
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アクセルスタジオ ikenaga

Author:アクセルスタジオ ikenaga
レコーディング・マスタリングエンジニア ikenaga です。
関西を中心に、レコーディング/ミキシング/マスタリング/MA/音声編集・ノイズ除去などの録音業務と、
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