FC2ブログ

一般的な音楽の再生環境とは

先日、Twitterで1週間アンケートをとりました。
内容は『音楽ユーザーの自宅での再生環境』についてです。

アンケート内容は以下の通りです。

Q. 家の中で音楽を聴く時にどうやって音楽を聴いていますか?

1. CDコンポ・モニタースピーカー等のスピーカー
2. 1万円くらいまでのPC用外付けスピーカー・ラジカセ
3. PCやスマホの内蔵スピーカー
4. ヘッドホン・イヤホン

目的としては、
「一般の音楽ユーザーがどれくらい音質に対してこだわろうとしている人がいるのだろうか?」
「家で音を出して聴ける人がどれくらいいるのだろうか?」

この2点の傾向を分析したいと考えて、アンケートを実施しました。

結果としてはこの画像の通りです。

アンケート結果

私のTwitterのフォロワーですから、当然同業者や作編曲やバンド、シンガーをやっている人が多いので、統計をとるにあたってサンプリングバイアスがかかることは承知の上です。それを考慮に入れると、CDコンポ・モニタースピーカー等のスピーカーが32.1%もいたことは、ある意味納得の結果でした。多分、街頭アンケートを実施すると、もっとCDコンポ・モニタースピーカー等のスピーカーの割合は下がることでしょう。多くて20%程度じゃないかな〜と思われます。

次に2と3ですが、便宜上分けていますが、これらは音質にはこだわっていないという点でほぼ一括りです。
1万円くらいまでのPC用外付けスピーカー・ラジカセが8.9%と10%にも満たなかったことから見ても、内蔵スピーカーと大差ない。お金をかけて買うほどのものではない、と思っている方が多いのではないかと思います。内蔵スピーカーを選択した人は、つまり元から付いているものでいいや、出音にお金をかけるものではないと思っているのでしょう。

BGM的に流して、ながら聞きをするんだったら、それくらいでも気にならないのかもしれませんね。

4のヘッドホン・イヤホンを選択した人が37.5%という点は、少々驚きました。日本の住宅事情を考えると、近隣から苦情が来ないようあまり音は出せないだとか、同居している家族が怒るからというのが、ヘッドホンやイヤホンを使う主な理由だと思います。
勿論、良い音を楽しめるスピーカーよりもヘッドホンの方がコスパが良い、というのはあるかもしれません。コンポは音を楽しめるモデルとなると5万円以上はしますが、ヘッドホンだったら1〜2万円でそれなりの音質のものがあるように思います。

ただ、いずれにしても、4割近い人がヘッドホンやイヤホンを利用しているということで、それほどまでか〜というのが率直な感想です。スピーカーにお金をかけない人が3割もいたことを踏まえて、ヘッドホン・イヤホンやPC付属スピーカーでのチェックの時間をしっかりとって、これらの環境に負けない音作りをせねば、と思う次第です。

最もそういったチェックはこれまでも行ってきたことではありますが、より強化していくべきと考えさせられました。
スポンサーサイト



過去を振り返って

本日思い出の品が旅立っていきましたので、ちょっと懐かしい話を書きたいと思います。

私がACCEL STUDIOを作り、フリーのサウンドエンジニアとして仕事を始めてから、11年が経過しました。まだ11年というべきか、もう11年というべきか、ともあれその11年前に丁度購入した機材が旅立っていったわけです。

当時、私は25歳。
前年の夏頃に、それまで5年勤めた制作会社を辞めることを決意したものの、退職後に何をするかは実ははっきりと決めていませんでした。周囲の専門学校時代の仲間がフリーになったり、自分が経験したかったけど経験できなかった現場の経験を積み重ねていたり、同年代のエンジニアが自分よりはるかに先を行っていたりで、とにかく現状を変えなくちゃいけない!!!

と焦った結果、私は会社のスタジオで社長、副社長に向かって、退職の意を伝えていました。

その1年半前にも先輩のチーフエンジニアに立ち飲み屋で「このままではもう辞めます。」と話しており、その後、その先輩はそれまで経験できなかった色んな現場に連れていってくれ、私が会社に残って自分を磨いていく道を作ろうとしてくれていました。
(この先輩は今でも私に仕事を振ってくれます。本当に絶対に足を向けて寝られない尊敬する先輩です)

私自身も通常の会社の業務以外に、自分でも仕事をとってレコ−ディングをこなすようになり、少しずつ変わっていってはいたのですが、自分よりもどんどん先に行く人たちを見て、今のままでは無理だ、、、と思ってしまったのですね。

と同時に、環境さえ変えれば、自分だってやれる!もっと上に行ける!!と思っていたわけです。
だから、後のことは考えず、計画も立てず、とりあえず言ってしまいました。

「辞めます」と。

その言葉の本当の重みも知らないままに。

それから3ヶ月後、年末まで働いて私は会社を辞めました。
3ヶ月は引き継ぎの期間。私がやっていた業務を後輩が一人でも出来るように教え、PCのデータ、紙書類関係もわかるように整頓し、作業内容も猿でも分かるマニュアルまで作って、文句の出ようのない形で会社から離れました。

実際、その後これが分からなくて、といった連絡はもらっていません。

しかし、会社を辞める頃になっても、私は何をするのか決めていませんでした。音に関わっていこうとは思っていましたが、どこか別の会社に入るのか、フリーでやるのか、そもそもスタジオワークなのか、PAなのか、放送なのか、全部が曖昧でした。それでも、会社を辞めた直後は、何となく自分はやれる!と謎のハイテンションになっていたので、不安感はなかったです。今から思えば、現実逃避していたのだろうと思います。

結局、年が明けて1週間ほど経ってから、フリーでやってやる!という結論に至りました。とはいえ、当時の所持金は150万円程度。これを元手に何をするのかを考えました。

スタジオを作れるほどのお金ではない。かといって、当時は今と違ってPAのノウハウがほとんどなかったため、安いPA機材と中古車を買って、PA屋をやるのはリスクが高い。ていうか、ちゃんとPAの会社に入って場数踏まないと多分無理。。。

となり、それまで会社のスタジオを使ってやっていたミックス作業を個人でやってやろう!となりました。

私がいた会社では音楽コンテストもやっており、尋常じゃないほどのアマチュアバンド音源を聴いていましたが、ミックスが甘いというか仕上げが雑で、もっと時間をかけて丁寧に作れば、絶対にもっと良い作品になる、と思うものが多いと感じていて、そこに需要があると思ったわけです。まあ、ProTools M-Powered7.4とFW1814というI/O、WAVESのGold Bundle、GENELEC 8020A、YAMAHA 01V96なんかを会社にいた頃に個人で買っていたので、それが一番コストがかからなかったというのが大きく、現実的に業務にできそうなのはそこしかありませんでした。

持ち運んで簡単なボーカル録りは出来た方がよいと思ったので、比較的高性能なMacBook Proを買い足し、ミックスを本格的にやるならGold Bunldeでは不足なので、、、と、Diamond Bundleにアップグレードしました。コンデンサーマイクもボーカル録るなら、これくらいは、、、と、AKG C414B-XLIIとAUDIO TECHNICA AT4050/CM5を揃えました。部屋のプライベートスタジオ化は会社にいた頃からやっていましたし、ホームページもフライヤーも簡単なものはAdobeで自分で作れたので、準備を着々と進めました。しかし、当然ホームページを作ってすぐに、フライヤーを撒いてすぐに依頼は入りません。機材の購入と、2ヶ月の生活費で、預金はどんどん減っていき、環境を変えれば、自分はもっとやれる!!というのが、何の根拠もない自信だったことに気づき、内心焦り後悔し始めた頃に、、、

ミックスではなく、バンド録音の依頼が入りました。

マイクもケーブルもスタンドもI/OのINPUTも全部足りません。MacとWAVESでお金をある程度使ってしまったので(当時WAVESはまだ高かったです)、新規に機材を買い足すには予算が限られます。でも、この依頼を引き受けることで、もっと道が開ける!というか、ここで逃げたら終わり!!何とかしなくては!!!

となけなしのお金で買ったのが、今回旅立っていったオーディオインターフェースです。

これを機に出張録音も業務に加え、この局面をどうにかこうにか乗り切ったことで、他の仕事も入り始め、苦しいながらも生活できるようになっていき、その後紆余曲折を経て今に至る、というわけです。

今回手放した機材で、本当に色んな人の音源を作ってきました。
メジャーにいったアーティストもいますし、著名なボカロPになった人もいます。

自分の苦しかった時代を支えてくれ、フリーのサウンドエンジニアとして最初の一歩を踏み出す時に背中を押してくれました。新しいオーナーの元でまだまだ活躍してくれることを願っています。

ヘッドホン選びと音作りの移り変わり2

前回の記事で新しいヘッドホンを導入、選定することになった経緯を書きましたが、今回はその中でどのようにして選んでいったかをお話ししたいと思います。

まず、前提として、これまでスタジオに標準的に置いてあることもあって、共通言語としてSONY MDR900STを使用してきました。
YAXIのイヤーパッドに交換したり、サウンドキャラクターを大幅に変えない範囲でアレンジはしていますが、学生時代から同じモデルを使っていますので、すっかり慣れたもので、その課題となるポイントもずっと把握して使い続けてきました。

よって、新しいヘッドホンではその課題の部分を克服できることを重視して選ぶことになります。
その観点で、まず今年のサウンドフェスタにてモニターヘッドホンの聴き比べをしてきました。
2日間参加した内の1日の半分くらいはそのために費やしたように思います。

何十個も試聴しましたが、その中で候補として残ったのは、ほんのごく一部だけでした。
具体的な製品として書き出すと、、、

・Focal Professional Clear Professional
・NEUMANN NDH20
・SHURE SRH1840
・SHURE SRH1540
・AUDIO TECHNICA ATH-M50x

この5機種でした。

これに後日、ヨドバシ梅田のオーディオコーナーでも多数試聴した結果、
・SENNHEISER HD650
・SENNHEISER HD800 S
の2機種も候補に加えて、絞り込んでいきました。

Focal Professional Clear Professionalは20万円もする高級機だけあって、流石のサウンドでした。
SENNHEISER HD800 Sも同様お高いだけあって、音のクオリティは高いです。

ですが、これらはいずれも開放型のヘッドホンです。
音は問題ありませんが、音漏れが問題になるシーンでは使用できません。
20万円出して、使えない状況がよくあるのではちょっとなぁ〜・・・ということで最初に却下になりました。

次に候補の中で一番リーズナブルなモデル、
AUDIO TECHNICA ATH-M50xは音のバランス的には全然仕事で使えると思います。
これまで使用していたMDR-CD900STと比べると、ミックス作業なども行いやすそうでしたが、他の機種と比べると、やはり値段の差なのか解像度が劣る印象で、今回新しく買うモデルとしては選ぶことはないな、と却下になりました。
ただ、ある程度の数を買わなくてはならない、ミュージシャン側のモニター用としては有力候補だと思っています。

これで残るは
・NEUMANN NDH20
・SHURE SRH1840
・SHURE SRH1540
・SENNHEISER HD650
の4機種ですが、正直サウンドの好みから言えば、SHURE SRH1840かSENNHEISER HD650が好みでした。
音のバランス、明瞭度、ヘッドホンの付け心地、全部甲乙つけがたい素晴らしいものだと思います。
上述した候補から外す大きな要因である開放型である点がネックにならなければ、この2機種のどちらかを買っていたかもしれません。(今後お金に余裕ができたら、やっぱり欲しいよな〜と今でも思っています)
しかし、やはり密閉型である点を優先して、NEUMANN NDH20かSHURE SRH1540のどちらかにしようということになりました。

そして、ここで唐突に発表されたのがSONY MDR-M1STでした。
ぶっちゃけこれには期待大で、ヘッドホンを購入するのを一旦保留にしたほどです。
2ヶ月待って、店頭に展示機がやってきたところで、上記の2機種と合わせて試聴し、最終判断しようとなりました。

しかし、正直MDR-M1STは期待外れと言わざるを得ませんでした。
確かにハイレゾを謳うだけあり、高域の解像度、空間の表現力など素晴らしいのですが、中域から中高域のあたりに独特の癖が感じられるのです。ラジカセでさえ再生能力が高い周波数帯にこういった癖があると、音作りが非常に難しくなります。ちょっと僕の仕事では使いづらいということで却下になりました。

最後はNEUMANN NDH20とSHURE SRH1540の間を行ったり来たり。1時間近くそうしていたでしょうか?
割と空いている時間帯を選んで行きましたが、店員さんからはなんだこいつ???と思われたかもしれません(笑)

結局、開放型のSRH1840にはない低音の癖が、SRH1540には存在したこと。
お金に余裕が出来たら、今回とは別にSRH1840を買いたいと思ったことから、最終的にNEUMANN NDH20の導入に至りました。
今年の5月に導入したモニタースピーカーNEUMANN KH310Aに音の傾向が似ていることも選択を後押ししました。

こうしてうちにやってきたNEUMANN NDH20。
既にちょこちょこ仕事で使っていっています。
これから10年、20年と一緒に戦っていける相棒になってくれると嬉しいと思う反面、また数年後にはさらに上のヘッドホンが出たりしないかな〜と、音響機器の発達を楽しみにしています。

なお、今回ヘッドホンを多数聴いていて思ったのが、別に新しいから、高いからってだけで、モニター用としてもリスニング用として良い音がするわけではないのだな、ということでした。SENNHEISER HD650なんかが顕著で、後継機よりもこっちの方が良いなというのが正直なところ。AUDIO TECHNICA ATH-M50xも同社の上位機種よりバランスが良く使いやすそうでした。

やはり信じるべきは価格でも新しさでもなく、自分自身の耳と感性なのだなと思います。

ヘッドホン選びと音作りの移り変わり

先日NEUMANNのモニターヘッドホンNDH20を導入した記事を書きましたが、今回はそのヘッドホンを選ぶに至った経緯について少々書いてみたいと思います。

音楽には時代によって流行がありますが、当然それに伴って楽器の音作り、バランスも変わってきます。
数年前に盛り上がっていたEDMなどに代表されるように、最近はかなりの低音まで音のレンジが広がってきたように感じていました。
これはYouTubeなどでラウドネスノーマライゼーションが導入されたり、過剰な音圧を求める方向から、音のダイナミクスを損なわない音楽が本来あるべき形に戻ろうとする動きとは無関係ではないと思います。

人間の聴覚特性上、低音は中域、中高域の音と比べ、同じ音量感を得るためには、より大きな音を出さないとなりません。
等ラウドネス曲線というものが有名かと思いますが、こうしてグラフで見ると一目瞭然ですね。
3〜4kHzの最も聞き取りやすい周波数と比べると、100Hz以下の低音は遥かに大きなエネルギーが必要なわけです。

等ラウドネス曲線


デジタルレコーディングには当然レベルの上限がありますし、マキシマイズによって音圧を稼ぐ際に低音はリソースを多く消費するわけです。
しかし、YouTubeや定額音楽配信サービスなどがラウドネスノーマライゼーションを導入し、低音を削ってパッと聴きの音圧を稼いだところで、どうせ音量を下げられてしまうため、音楽が本来持つ周波数、ダイナミクスのレンジをもっと広く使おうという動きが生まれてきたのでしょう。

以前までと比べ、低音がガッツリ入った音源が増えてきましたし、こうなってくると今まで使用していたSONY MDR-CD900STでは、もう正しいモニタリングは出来ないな、というのが私の判断でした。
低音が鳴ってないわけではないですが、判断に迷うことが多く、勘に頼りながら作業している面もあったわけです。
そこで、もっと広いレンジでしっかり聴けるヘッドホンを!!ということで、新しくヘッドホン選びをすることになったわけです。

ここからはその中で色々聴いたヘッドホンの個々の印象について紹介し、どうして最終的にNDH20を選択したのかを書いていきたいと思いますが、少々長くなりそうなので、次回の記事に回そうと思います。

ボイスサンプル制作、そして声優デビュー

久しぶりのブログ更新です。
書くネタが無かったというわけではなく、単にサボっていただけ。

機材も更新されていて、ホームページも更新しないとなのですが、それも滞っている状態です。
ツイッターに書くと、ついついそれでそのまま忘れがちなんですね。

さて、ちょくちょく書いているボイスサンプル制作業務に絡んだ話題を一つ。

声優事務所、あるいはアニメ作品などの公募オーディションの時に、よく声優志望の方から依頼をいただきまして、ボイスサンプル制作を行うのですが、ここ2〜3年、うちに来ていた方の中から声優としてデビューされている方が何名も出てきています。

まだ、大きな役を掴んで人気声優に!!
みたいなお話は聞きませんが、たまたま見ていたアニメのエンドクレジットで名前を見ることがあるくらいなので、今後そういった展開も期待できるのかな、とワクワクしています。

これまでにもブログで書いてきたことではあるのですが、
うちでは単に音を収録するだけでなく、演技やナレーションに対するディレクションも行っており、
これが好評なようで、何度も繰り返しお越しいただいている方もいます。
東京で声優としてデビューされてからも、わざわざ依頼してくださる方もおり、大変光栄に思っています。

こうして今後も声優、ナレーターを目指す方の後押し、力添えをしていきたいと思います。
大阪で声の収録をされる際は、是非ご依頼下さいませ。
ご連絡は下記URLのWEBページのメールフォームからお願い致します。
https://accel-studio.com/
プロフィール

アクセルスタジオ ikenaga

Author:アクセルスタジオ ikenaga
レコーディング・マスタリングエンジニア ikenaga です。
関西を中心に、レコーディング/ミキシング/マスタリング/MA/音声編集・ノイズ除去などの録音業務と、
ジングル・サウンドロゴ・効果音制作などの制作業務を行なっています。

ご依頼・お問い合わせ・お見積もりのご依頼は、
↓のホームページからよろしくお願い致します。

https://accel-studio.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR